令和2年、2020年の年明けとともに全世界を震撼させた新型コロナウィルス、日本においても全国各地に蔓延し、非常事態宣言が発令され、感染による犠牲者とともに、経済的にもたくさんの人々が犠牲になりました。スポーツ界も例外なくその波にのみ込まれ、各種大会やイベントがことごとく中止を余儀なくされました。この2020年は東京オリンピック開催年でありましたが延期が決まり、本県にとっては、インターハイ分散大会のボクシング競技釜石市開催が運営準備の佳境を迎えようとしていただけに、このコロナ禍による開催中止は、まさに残念でなりません。また競技力向上に日々を注ぎ込んできた選手諸君のことを考えると、成果を試す機会もなく引退せざるを得ない3年生など、その無念さに、かける言葉もみつかりません。ただ、大会は消えてしまいましたが、今までの目標に向けた努力の軌跡、友と乗り越えてきたかけがえのない日々は決して消えず、きっと今後の人生の支えとなることを忘れないでほしいと思います。同時に、このコロナ禍の一刻も早い収束と、人々の健康、さらに安全で安心してスポーツに取り組める世界の再開を心より祈念するものであります。

昨年度の本県選手の活躍を振り返ると、8月の宮崎インターハイではウェルター級和賀聖龍選手が3位、茨城国体では成年ライトヘビー級梅村錬選手の準優勝など、また、女子においても、12月の札幌全日本女子選手権ではジュニアライトウェルター級住吉こゆき選手が準優勝を果たしました。そして、今年1月のインターハイのリハーサル大会として釜石市で開催された東北高校新人大会では、バンタム級木村風雅選手と女子ピン級佐藤七海選手が優勝しました。さらに、オリンピック選考にかかる11月の鹿児島全日本選手権において、ライトヘビー級梅村錬選手が見事優勝し、オリンピック出場の夢をつなぐなど、立派な成績を収めました。UJ(アンダージュニア)選手についても、ますます実力を身に付けるなど、今後も岩手の選手諸君の全国の舞台での活躍が、人々に活力と大きな生きる勇気を与えてくれることを楽しみに、健闘を大いに期待したいと思います。

指導者の皆さんにおかれましては、引き続き、UJ選手の育成と高校生との連携、さらには成年選手の強化にご尽力いただき、また役員各位におかれましては、選手たちが安心して競技に専念できるよう物心両面からのご支援ご協力をお願いし、今後ますます岩手ボクシングが発展することを切望いたします。

今年度も、皆様の一層のご鞭撻とご協力をお願い申し上げ、挨拶といたします。